
筆者が気になる2024年11月のカンタン化学ニュース紹介 1回目になります。
あまり難しい言葉を使わずに、中・高校生レベルで記事を紹介していきます
クラレ 歯のかぶせモノ 焼成時間半減
ここがポイント
歯のかぶせモノには元素成分 ジルコニア が使われている
歯の型取り後、焼成工程が必要で時間を要していた
今回焼成時間を新グレード開発で半分に!
ジルコニア(ZO2)は非常に硬いことで有名で、歯のかぶせモノとして一般的に使用されている。従来は歯のかぶせモノを型取りした後に20分近く焼成工程が必要だが、クラレ社は新グレードを開発することで約9分程度で完了させることが出来るとのこと。
ジルコニアは強度もさながら、審美生の高さから、コンピューターでの設計加工が可能。スキャナーで得た形の情報を元に自動で生計が出来きることで、歯科医院での作業負荷などが大幅に低減される。
クラレ社は原材料の細やかな仕様を変えることで、焼成時間を前述の時間まで短くすることが出来き、診察から治療までの時間を1時間程度まで短縮ができる見込み。同社は2027年度に新潟の工場で設備稼働を目指し、準備をすすめているとのこと。

歯科治療用のジルコニアは米国一強と言っても良い市場。
今回の技術で、この寡占状態を打破して日本の技術を世界にアピールしてほしいですね。
引用記事:~歯科医院向けCAD/CAMシステム「セレック」専用ジルコニアブロック | kuraray
ヨウ素 市況が活況
ここがポイント
医療用造影剤向け、ペロブスカイト用途などヨウ素が注目
チリ大手工場の大規模設備の稼働が遅延気味
価格の高騰が続いており、$70/kgが定常化
ヨウ素(I)は化学品の中間体製造や偏光板向け用途で使われてきたが、偏光板向け用途がここ数年需要量が減ってきている。一方で、医療用造影剤で需要が爆発的に増えている。加えて、昨今注目されているペロブスカイト型電池用途も期待されており、輸出量が増加傾向。
メイン産出国であるチリの大手工場が2024年度目標で増産を計画していたが、これを2030年度頃まで延期することを発表。ヨウ素の需給バランスの懸念からさらに単価の高騰が続くことを懸念され、$70/kgが輸出価格で定常化しつつある。
2024年現在、チリ国内の上述とは別のヨウ素算出工場も違法操業疑いがかけられるなど、復調の見込みも乏しく、現時点では価格高騰の一途をたどっている。



技術革新になりえるペロブスカイト型電池が本格的に流通し始めるとさらにヨウ素の価格は上がりそうですね。
引用:グラフで見る! ヨウ素の輸出動向 2023年11月 輸出相手国のシェア 財務省 貿易統計
引用:ヨウ素、造影剤向け好調 チリ減産で需給締まる : 化学工業日報 電子版
DIC&エフピコ ポリスチレン蓋材料 リサイクル技術
ここがポイント
総菜などに使われるトレー蓋の回収にDICとエフピコが協業
色柄付き発泡トレーは、リサイクルした際に再生ペレットが黒色することが課題
新規技術:溶解分離リサイクル(Dic)法の応用で黒色化回避ができる
スーパーの総菜に使用されるポリスチレン容器は白色トレーと色つきのトレーが流通している。白色のトレーに関しては、回収され再度食品トレーとして使用される一方で、色柄付き発泡トレーは、リサイクルした際に再生ペレットが黒色することが課題であった。
この課題に対して、DICは溶解分離リサイクル技術(Dic法:Deinking chemical process)を開発することで、ポリスチレンの着色成分を分離させ透明な材料に戻すことで、トレーへのリサイクルを実現することに成功した。
DICは今後、RNスマートパッケージ社と協業し、印字ラベル基材を含めての包括的なリサイクル容器への普及を進めている。


会社同士の協業で新たな技術が生まれることは素晴らしいですね。
タコつぼ化した会社は変化に対応できず、衰退してしまいますよね。
引用:DICとエフピコ、マテリアルリサイクルによる色柄付き発泡食品トレーの水平リサイクルを実現 ポリスチレンの溶解分離リサイクル設備を11月より本格稼働開始 | ニュース | DIC株式会社